ノリと勢いでは通用しない
永田さんはパートナーから社員になられたんですね。最初に掲げた目標などはありますか?

最短で店長になることです。売上トップの店をマネジメントしたくて、パートナー時代から数字に対する意識を強く持っていました。5年間で約10名の店長のもとで学んで、癖付けされていたのかもしれません。でも実際に社員になってみると、マネジメントの大変さが見えてきて、ノリと勢いでは通用しないことを痛感しました。
それでも入社3年で店長に昇格し、着任した川中島店では、2年目にして全社表彰で優秀店長賞も受賞されましたね。どんな取り組みをされたのですか?

最初は、スタッフをまとめるのに苦労したので、心理学や自己啓発の本をたくさん読んで、人の心へのアプローチ方法を勉強しました。優先的に環境整備に注力したところ、みんなの意識が変わって、モチベーションも向上していくのを感じました。それに比例して売上も上がっていったんです。

売上記録を塗り替えた「90分永田劇場」
これまでのキャリアの中で、壁にぶつかったことはありますか?

船橋宮本店の店長だった頃、当時のブロック長に店舗目標を聞かれて答えたら、「会社の方針に沿っているだけのつまらない目標だ」と言われて…。しかも、その目標がスタッフ全員に伝わっていないと指摘されたんです。
その時、どんな気づきがありましたか?

確かにそれまでの店舗目標は、事業部が掲げる目標を総合的に達成することでした。でも私がやりたかったのは、もっとシンプルなことだと気づいたんです。目指したのは、オペレーションの改革。食べ放題の制限時間は100分間ですが、通常より速い料理提供やご案内が実現すれば、90分間で最大限満足いただけると考えました。そうすることで結果的に売上も顧客満足度も上がるはず。その考え方と行動指針を「90分永田劇場」というスローガンに込め、マネジメントを行いました。
とてもキャッチーですね。でも、スピード重視の弊害などはありませんでしたか?

もちろん、ただ速いだけじゃお客様の満足は得られないので、安定したオペレーションを維持できるよう入店や注文のタイミングが重ならない工夫と、より丁寧な接客姿勢にこだわりました。あとは店長と同じ視座を持てるような人財を育てることも目指しました。そうすれば、たとえ私がいなくても理想の営業を実現できますから。
その取り組みが実を結び、2024年3月には船橋宮本店が目覚ましい業績を記録。今度は全社表彰で1名しか選ばれないMVPを受賞されました。

表彰で名前が呼ばれた瞬間は現実感がなく、ふわふわした心地の中、ステージに上がって初めて嬉しさが込み上げてきたのを思い出します。マイクを渡されましたが、何を話したかは覚えていません(笑)。

育て方で人は変わる、それが組織を覚醒させる
人財育成やチームのマネジメントには、どのように取り組まれましたか?

自分で考え行動できる人を育て次の店舗に送り出す。それも私の使命だと思っていましたので、一人ひとりの育成に時間をかけて取り組みました。また、船橋宮本店にはインターナショナル(外国籍)人財も大勢いたので、多種多様な相談を受けることもありました。丁寧なヒアリングと素早い意思決定を繰り返す中で、チームマネジメントのスキルが磨かれたと思います。
2024年7月には焼肉事業部のエリアマネジャーに昇格されましたね。複数の店舗をまとめる中で注力していることはなんでしょうか?

いちばんは、成長を目指す人たちの教育ですね。店長の考え方をわかりやすく説明したり、具体的な数字を示したり。「あなたには何ができそう?」と継続して問いかけていくと、人は変わります。店舗や店長が目指すことを一緒に達成したいという意識が芽生え、自分が店長になる準備が始まるんです。その「覚醒」が、チームの力になっていくと思っています。

世界で通用する人財を目指して
今後の目標を教えてください。

エリアマネジャーになって提案や発表の機会が増えたんです。経営層の思考に触れることが多くなって、自分が目指すのもそこだな、と思うようになりました。未来を見据えた思考力を磨いて、広い範囲で活躍したいですね。新業態や新事業の開発にも携わり、50歳までに役員になるのが目標です。
最後に、永田さんの「なりたい自分」とは?

世界で通用する人財です。これまでたくさんの店長から影響を受けましたし、私に影響を受けたと言ってくれる部下もできました。だからこそ、いずれはグローバル規模で影響力を持ってみたい。そのためにしっかり準備していきたいです。