人間関係構築の本当の意味を知る
店長経験が豊富で、現在は『焼きたてのかるび』のトレーニングセンターで人財を育成されていますね。人財育成はもともと得意だったんですか?

実は苦手で、『お好み焼本舗』の新人時代は失敗ばかりでした。特に人間関係では失敗が多く、思うように人に動いてもらえず悩むこともありました。当たり前ですよね、信頼関係がない相手に何か言われても響きませんよ。でも入社当時の自分は、正しいことを言えば人は動くと勘違いしていたんです。
そうだったんですね。その気付きを得られたきっかけはあるんでしょうか?

私を育ててくれた店長たちですね。うまくいかないことの原因は自分にあると、気付かせてくれました。私は、失敗を周りのせいにしていたんです。でも、自分にベクトルを向けるようになってから、行動が変わっていったと思います。従業員と関係性を構築した上で、理想とする店舗像を共有し、「だからあなたにこれをやってほしい」と伝えられるようになりました。

店長経験で培った平田流リーダーシップ
その後、店長としてリーダーシップを発揮していく上で意識したのはどんなことですか?

従業員に指示を出すとき、してもらいたいことの先にある「その人の未来像」、つまり相手にどうなってほしいかを伝えることを意識しました。すると指示の真意を理解して動いてくれるようになり、その人らしさを発揮してくれるようになったんです。リーダーシップとは、チームのメンバーの魅力を最大限に引き出すことであり、そのためには、一人ひとりに想いを伝えて納得してもらうことが大事なんだと気付きました。
一人ひとりの魅力を引き出すために、どんなコミュニケーションを心がけていますか?

ライフスタイルなどの背景はもちろん、好き嫌い、喜怒哀楽のポイント、モチベーションの源泉などを何気ない会話から把握し、そのつどふさわしい声がけをしています。その人に対して、どれだけ時間を使えるかがポイントです。そして、何でも包み隠さず、その場ですぐに直接伝えるようにしています。すると、本人も周りの人も店長を信頼してくれるようになるんです。
チームを導く良いリーダーの育て方
『お好み焼本舗』から異動して、新業態『焼きたてのかるび』では複数店舗を管理する「ユニット店長」を任されたそうですね。平田さんのリーダーシップに何か変化はありましたか?

複数店舗の管理で仕事が回らなくなり、自分と同じ思想を持ち同じように行動できるリーダーが必要だと気づきました。そこでまずは店舗管理よりも人財育成に時間を費やしたんです。いかに成功体験を作ってあげられるかを意識し、「店長ならこうする」という判断基準を身に付けられるよう導きました。
なるほど。店長と同じ行動ができるリーダーがいると、チームにどんな影響があるんでしょうか。

店長が自分と同じ判断や行動ができるリーダーを育てると、今度はリーダーがその基準でパートナー(アルバイト)を引っ張っていってくれるんです。すると、お店全体が理想や方向性を共有できるので、組織が強くなっていきます。1号店である豊橋北山本店は、リーダーシップを取れるパートナーがしっかり育って、自分で意思決定してお店を回してくれました。私の理想の店舗がつくれたと思っています!
素敵ですね!チーム全体に判断基準を浸透させるために大切なのは、どんなことですか?

OJTし合う環境をつくることですね。お客様と仲間、店舗のために、お互いに指摘し合って改善していける関係性とチームの雰囲気ができると、みんなが気付きをどんどん発信するようになり、改善行動できる集団になります。毎日パートナーからの提案メモが続々と集まってくる店舗もありましたよ。

現場大好き人間が目指す最終目的地
平田さんの教育で、たくさんの有望な人財が育っていますね。次に目指すのは、どんなことですか?

私が育てて店長として一人前になった人たちに、持てるものを全て伝えて、さらに上のステージへ成長してもらう。今はそればかり考えています。そして、僕のポジションを受け継いでくれる人財を早く育てたいと考えています。
最後に、平田さんの「なりたい自分」とは?

成長し続ける自分でありたいと思っています。あとは、やりたいことを突き詰めたいですね。今、ぼんやりと描いている将来像は、自分で何らかの店をやることです。私は現場が一番楽しいと感じる人間ですから、最終的にまた店長をやって、身に付けたことを現場で生かせたらいいですね。それだけの経験を今、ここでさせていただいていますから。