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言い訳していた自分と決別。子どもに誇れる父親を目指して

お好み焼本舗 仙台卸町店 店長 酒井翔大

言い訳していた自分と決別。子どもに誇れる父親を目指して

一人ひとりの「自分物語」を紹介する「みんなの物語」。今回は、『お好み焼本舗 仙台卸町店』で店長を務める酒井 翔大(さかい しょうた)さんに登場いただきました。全社表彰で「最優秀プレジデント賞」を受賞したこともある実力の持ち主ですが、意外なことに「入社当時は、自分に店長は無理だと思い込んでいた」と言います。憧れの店長との出会い、そして守るべき家族ができたことが、それまでの価値観を大きく変えたとか。酒井さんの決意と変化の物語に迫ります。

PROFILE
入社日
2016年04月01日
長所
人当たりがいいところ
短所
飽きっぽいところ
すきなこと
自分の子どもと遊ぶこと
おすすめメニュー
お好み焼本舗の「超贅沢 牛カルビ玉」
おすすめの食べ方
カルビをごはんと一緒に食べるとうまい!

店長なんて、自分には無理だと思っていた

酒井さんは、これまでに全社表彰で「最優秀プレジデント賞」を受賞されていますよね。すごいですね!

酒井翔大

ありがとうございます!改めてそう言われると、我ながら驚いちゃいますね…(笑)過去の自分からは想像つかないくらいです。本当に人見知りで、そもそも「店長なんて責任の重い役職、自分には絶対できない」と思っていたので。

なんと!それは意外でした。

酒井翔大

相手にどう思われているかをすごく気にしてしまう性格で…。入社当初はパートナー(アルバイト)と関係づくりをするのが怖くて、調理作業を覚えることに集中するふりをして人間関係から逃げていたくらいです。あと、当時の店長がパートナー全員に明るく元気に声をかけたり、やる気を引き出したりしてまとめ上げている姿を見て、「こんなふうにはなれないな」って、自分が店長をやれるイメージが湧かなかったんですよね。

今の明るくて気さくな酒井さんからは想像できないですね。

酒井翔大

そう言ってもらえるのは嬉しいです(笑)でも「関係づくりから逃げてちゃいけないよな」と心のどこかで焦っていました。そんなとき、当時の店長から「お店に入ったら、自分から一歩踏み出すスイッチを入れてみたら?」と言われて。最初は半信半疑でしたが、「苦手だから」「怖いから」と言い訳をして殻にこもっていては何も変わらないなと思って、自分からパートナーに話しかけてみたんです。勇気がいりましたが、意外と相手も笑顔で返してくれて、「あ、自分でもやれるんだ」って少し自信が持てました。

最初の一歩は緊張しますよね。

酒井翔大

それはもう!「何言われるかな、変に思われないかな」ってドキドキしましたし、結局自然に話せるようになるまで、時間もかかりました。まだその頃は店長になることまでは想像できなくて。気持ちが変わったきっかけは、鈴木聖志さんとの出会いでした。

「人見知り」はただの言い訳だった

そのとき、何があったんでしょうか?

酒井翔大

当時自分がいたお店に鈴木さんが着任したんですが、「店長ひとりでここまでお店が変わるんだ!」と驚くほど、空気がガラッと変わったんです。

鈴木さんがどんなお店づくりをされたのか気になります。

酒井翔大

鈴木さん自身がずっと笑顔を絶やさなかったのもそうですが、パートナーが出勤してきたら「おはよう!今日はこれを頑張ってみようね」とか、帰るときには「今日はどうだった?自分の思ったようにできた?」って、毎日声をかけていたんです。そしたら、それまで疲れた顔で働いていたパートナーが楽しそうに仕事をするようになって。「褒められて嬉しい」「次は頑張りたい!」って声も聞こえてきて、どんどんお店が明るくなりました。

それはすごい変化ですね!

酒井翔大

でも、実は鈴木さんも自分と同じように人見知りだったらしくて。「店長になるのに性格なんて関係ない。店長としてやるべきことをやれば、ちゃんと人はついてくるよ」って言われたことがあるんです。それまでは「鈴木さんみたいにお店の空気を変えるほどの力は自分にはないな…」って思っていたんですが、その言葉でハッとしましたね。昔から自分と他人を比べてばかりいて、“できない理由”を人見知りな性格のせいにすることで物事から逃げていた自分がいたんです。鈴木さんに「俺にできるんだから、酒井さんにも絶対できるよ」って言ってもらえて、その後押しがすごく嬉しくて、店長を目指したんです。

夫として、父として。守るべき存在のために

実際に店長に昇格してからは、どうでしたか?

酒井翔大

思った以上に大変で、最初の2年くらいはボロボロでした…。店長として初めての店舗では、店長業務に追われる毎日で、パートナーと向き合う余裕がなくて。2店舗目では、「前の店長の方がよかった」って、陰口を言われたりして。「やっぱり自分は店長に向いていなかったのかも…」って心が折れそうになった瞬間が何度もありました。

その頃、プライベートにも変化があったそうですね。

酒井翔大

はい。ちょうどその頃結婚をして、3店舗目に異動したときに長男が生まれました。もう本当にかわいくて!(笑)それまでは「店長としての自分」が生活の中心で、「自分が誰よりも現場に立って最前線で頑張らなきゃいけない」と思い込んでいましたが、家族ができたことで価値観がガラッと変わったんですよね。夫や父親としての自分も大事にして、家庭と両立したいと思うようになりました。

その新たな価値観が、仕事にはどう影響したんでしょうか?

酒井翔大

まず、自分がいなくても安定するお店をつくることに専念しました。これまでの働き方だと、妻や子どもにきちんと向き合えないし、大切な人を大事にできないなんて、夫として父親としてありたい姿じゃないと思ったんです。そのために、「自分がどういうお店をつくりたいか」をきちんとみんなに伝えて、鈴木さんみたいに一人ひとりのパートナーへ目標設定とフィードバックを欠かさず行いました。

その結果、お店にはどんな変化がありましたか?

酒井翔大

みんながだんだん「これやっておきますね」って自分から動いてくれたり、「この日のシフト出れますよ!」って協力してくれて、自分がいない日でも、一人ひとりが考えて動けるお店になっていきました。その結果、お店で過去最高の売上も出せて、社内表彰で「最優秀プレジデント賞」を受賞できたんです。個人でもらえたというより、みんなで獲得できたものだと感じて、本当に嬉しかったです!

子どもに誇れる父親であるために

家族ができたことで生まれた変化は大きいですね。

酒井翔大

はい。子どもが生まれてから「恥ずかしくない父親でいたい」って強く思うようになりましたね。立派な大人として見られたいというか。たとえば、店長としてお店を運営してしっかり結果を出している人ってカッコいいじゃないですか。逆に、責任から逃げるとか、大切なものを守れないとか、カッコ悪い姿は見せたくない。そのためには、自分がどうあるべきかって考えるようになったんです。

最後に、酒井さんの「なりたい自分」とは?

酒井翔大

子どもにとって尊敬できる父親でありたいです。仕事も、家庭も、自分が関わる人すべてに対して誠実にいたい。挑戦する姿を見せて、「自分も頑張ろう」と思ってもらえる存在になりたいですね。