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もう誰も辞めさせない。誰もが「ここにいたい」と思える居場所づくりへ

お好み焼本舗 仙台泉ヶ丘店 店長 中村翔

もう誰も辞めさせない。誰もが「ここにいたい」と思える居場所づくりへ

一人ひとりの「自分物語」を紹介する「みんなの物語」。今回は、『お好み焼本舗 仙台泉ヶ丘店』で店長を務める中村 翔(なかむら しょう)さんに登場いただきました。キャリア(中途)入社からわずか5カ月で店長に昇格し、顧客満足度指標を競う社内コンテストでは、店舗を業態内1位へと導いた中村さん。自然と人が集まる“居心地の良いお店づくり”を得意としていますが、そこに至るまでには、前職で仲間が次々と離れていった苦い体験があったと言います。「もしかして、自分に原因があるのかも?」という気付きからお店づくりを見つめ直し、今の成果へとつなげてきたその軌跡に迫ります。

PROFILE
入社日
2023年02月01日
長所
ポジティブでくよくよしないところ
短所
内気なところ
すきなこと
家族と一緒に過ごすこと
おすすめメニュー
お好み焼本舗の「串カツ ねぎ」
おすすめの食べ方
しっかりとソースをつけて(新しくなったソースをお試しあれ!)

大切なのは「その人らしく」働けているか

先日の社内コンテストで、『お好み焼本舗』業態内で第1位に輝きましたね。おめでとうございます!

中村翔

ありがとうございます。でも、特別なことは何もしていないんですよ。「お客様との接点を増やせるいい機会だな」と思って、パートナー(アルバイト)に「これを機に自分の接客を見直してみようね」と伝えた程度なんです。「絶対に優勝を狙おう!」みたいなことは、実は一度も言っていないんですよね。

なんと!そうだったんですね。普段は、どんなお店づくりを意識されているんですか?

中村翔

パートナーが自分らしく働けているかどうか?を常に意識しています。たとえば、同時に複数の作業をこなすことが苦手なパートナーに対して、あれもこれもと一気に指示をしてしまうと、きっと本人はしんどいですよね。苦手なことはその人の個性として受け止めて、一つずつ指示をしたり、「あなたの丁寧な接客が、お客様の心地よい時間につながるからね」と声掛けをして、得意なことを伸ばせるようにしています。

得意なことを認めてもらえることはやりがいにもつながりますよね。いつからそういうお店づくりをされているんですか?

中村翔

前職の回転寿司チェーンで、店長をやっていた時からですね。ただ、最初の頃は、今のようなお店づくりはできていなかったんですよ。

仲間が離れていくのは、自分が原因?

前職の店長時代のこと、ぜひ詳しく教えてください!

中村翔

規模は小さめの回転寿司店だったんですが、20歳で入社して、24歳で店長になりました。最初は、やっぱり自分のお店を持てたことが嬉しくて、「理想のお店をつくるぞ!」って意気込んでいましたね。それで張り切って従業員の指導をしていたんですが、だんだんとお店から人がいなくなっていっちゃって。辞める人に理由を聞いても、「いや、ちょっと家の事情で…」とか、濁されて正直に話してもらえなかったんですよね。

「この人、本音じゃないかも」って、何となく雰囲気で伝わりますよね…。

中村翔

そうなんですよ。「また辞められたか…」と思うたびに、自分ってそんなに嫌な上司なんだろうか?って少し怖くもなりました。それでよくよく自分の行動を振り返ってみたら、理想のお店をつくりたい気持ちが先行しすぎて、有無を言わさず自分の要望ばかりをみんなに押し付けていたことに気付きました。この人は何が得意かとか、苦手だとかは全然考えてなかったんです。

店長としての想いばかりが先走った形になったんですね。

中村翔

もちろん、お客様の不満足につながっては意味がないので、やってほしいことを求めることは必要です。けれど、一方的に苦手なことやできないことまで強制され続けるのってつらいですよね。「一人ひとりをちゃんと尊重できていなかったな」と自覚して、かなり反省しました。それでまずは、みんなが自分らしく働ける環境をつくろうと決めたんです。

具体的には、どんなことをされたんですか?

中村翔

相手の行動や表情、話し方をよく観察して、「今、自分の力を発揮できているかな?」「楽しく働けているかな?」と向き合うようにしました。あとは、みんなが自分の気持ちを素直に話しやすい雰囲気づくりをしたり。営業中に変顔をしてみんなを笑わせることもありましたね(笑)そうしていくうちに、人が辞めないお店になっていきました。従業員の紹介で仲間が増えたり、お客様が「みなさんが楽しそうに働いているのをみて、自分もここで働きたいと思いました」と応募してくれるようにもなったんです。

記憶の中のお店が、今のお店づくりを動かしている

それだけ、居心地のいい楽しそうなお店の雰囲気が伝わっていたんですね。

中村翔

そうだと思います。気付けば、自然と人が集まるお店になっていて。「あれ、これって昔、祖父母の店で見た光景に似てるな」ってふと思ったんです。子どもの頃、祖父母が経営していた商店をよく手伝っていて、そこの雰囲気が大好きだったんです。そこではお客様がただ買い物をしに来るだけじゃなくて、おしゃべりに来たり、お土産をもってきてくれたり。人がどんどん集まってくる、“温かいつながり”にあふれた場所でした。

“お店”というより、みんなの“居場所”のように感じます。

中村翔

そうですね。でも、そういう記憶がありながら、自分が最初に店長をやったときは、それをまったく活かせていなかったんですよね。結果ばかりを追いかけて、人の気持ちに寄り添えなかった。あのときの反省があったからこそ、「自分は本当はどんなお店をつくりたいんだろう」と考えたときに、やっぱり原点にあった祖父母のお店の光景が浮かんできたんですよね。

自分もまわりも「自分らしい人生」が送れるように

小さい頃の原体験が、中村さんのお店づくりのヒントにつながっていたんですね。

中村翔

そうですね。やっぱり従業員が笑顔で楽しくいられるお店こそが、仲間もお客様も呼び込むんだと思います。そのためには「自分らしく働けているか」が一番大切です。これからも一人ひとりを尊重して、その人らしさを引き出していきたいですね。もう、誰も辞めさせません(笑)

最後に、中村さんの「なりたい自分」とは?

中村翔

仕事もプライベートも、どっちも楽しめる人でありたいですね。振り返ってみると、「自分もまわりも、自分らしくこの環境を楽しめているか」という感覚が、いつも行動のヒントになっていたと思います。これからも、自分もまわりの人も大切にしながら、前向きに人生を楽しんでいきたいですね。