異国での活躍を夢見て
ハルケスさんは留学のためにネパールから日本に来られ、ビジネス専門学校を卒業後に物語コーポレーションに入社されたんですよね。

はい。日本に留学したことのある友人から、安心・安全な国で住みやすい国だと教えてもらって、日本に興味を持ちました。実際に留学したら、確かに働きやすそうで、「学んだ日本語を活かして、日本でマネジメント職に就きたい」と思ったんです。でも、就職活動では「外国人だから」という理由で落ちることが多くて・・・。「外国人はうちでマネジメントなんてできないよ」と言われたりもしました。
就職活動の状況は、とても厳しかったんですね。

はい。自分が活躍できる場所は日本にはないのか・・・と諦めかけていたときに、物語コーポレーションと出会いました。ここではインターナショナル(外国籍)社員が店長やエリアマネジャーとして働いていて、結果を出して全社表彰で受賞をしている人もいると聞き、国籍関係なくキャリアアップできる会社なんだと知ったんです。自分もこの会社で活躍したい!と思って入社を決めました。
実際に入社して、いかがでしたか?

飲食店で働いた経験がなかったので、最初は覚えることが多くて大変でした。1つずつ覚えていってだんだんできることが増えて、リーダーの昇格試験を受けたんですが、落ちてしまって・・・。その次もチャレンジしたんですが、また落ちて、そのあとも4回ほど落ち続けたんです。どうすれば受かるのかわからなくて、モチベーションも下がってしまって、昇格を諦めかけてしまいました。
それは心が折れそうになりますね・・・。

はい。とうとう5回目の試験にも落ちたとき、当時の店長から「ちゃんと自分の課題に向き合って勉強しないと受からないよ」と言われたんです。たしかに、勉強に十分な時間をかけられていなくて、昇格したいと言いながらも「努力したつもり」になっていたんだと気付きました。そこからは、わからないところはそのままにしないで店長に聞いたり、まわりにお願いして試験のクイズを出してもらったりしました。そして6回目の試験でやっと合格できたんです!

失敗と成功から見えた店長への道
1つ目のステップアップができたんですね!

はい。リーダーに昇格して、新店のオープンも経験しました。当時、新店には副店長が2人いたんですが、店長から「副店長たちが今後異動してしまったら、そのときはハルケスさんに二番手としてお店を支えてもらいたい」と言われたんです。まだリーダーの自分が二番手なんて・・・と驚きましたが、それ以上に期待されたことが嬉しくて、「絶対に良いお店をつくるぞ!」と張り切りました。
店長から期待されたら、やっぱり力が入りますよね。

そうなんです。そこからパートナー(アルバイト)の教育を任されて、自分のやり方でOJTを進めていきましたが、ここでも壁にぶつかりました。パートナーができないことやちょっと難しい仕事は、「大丈夫だよ、あとは自分がやっておくね」と引き受けていたんですが、だんだんと「これどうしたらいいかわからないので、ハルケスさんやってもらえますか」と、私ばかりが仕事を抱えるようになってしまったんです。難しいことはさせない方がパートナーにとって良いんだと思って行動していましたが、それが逆にパートナーの成長のチャンスを奪うことになっていたと気付きました。
そこからハルケスさんはどうされたのですか?

自分がフォローしすぎずに、パートナーに仕事を任せるようにしました。「あなたならできるよ」と期待していることをちゃんと伝えて、できたら褒める、できなかったらフィードバックをして次につなげるということを徹底していきました。そしたら、少しずつみんなのできることが増えて、前より楽しそうに働くようになって、営業コンセプトの「とびっきりの笑顔と心からの元気」を体現できる人が増えていったんです。その変化がすごく嬉しかったですね!
自分の教育でパートナーの笑顔が増えると気持ちいいですよね。

はい。この経験から、「自分が店長になったら、こんなふうにパートナーが笑顔で楽しく働けるお店をつくりたい」となんとなく思うようになりました。副店長に昇格してからは、シフトの作成なども任せてもらえて、教育も計画どおりにうまくいったのでかなり自信がつきました。店長やパートナーからも「ハルケスさんに店長になってほしい」と背中を押されて、自分が最高責任者としてお店をつくろうと決意したんです。勉強も頑張って、3回目の店長試験で合格をもらえました!

活躍に「国籍」なんて関係なかった!
実際に、店長になってからはいかがでしたか?

当時、作業の得意なベテランパートナーと新人パートナーのレベルの差がかなり大きいお店で、「失敗したら怒られるかも」と怖がって挑戦を避ける人が多く、教育が全然進んでいませんでした。これは良くないなと思って、すぐに改善を始めたんです。まず、みんなに「人は誰でも間違うことがある。大事なのは、そこから諦めずにどう行動するかだよ」と伝えて、発注作業など少しハードルの高い業務をどんどん教えていきました。あとは、ベテランパートナーを巻き込んで教育計画をたてて、みんながレベルアップできるようにチームビルディングを進めたんです。
ハルケスさんの教育で、お店はどう変わったんですか?

「次はこれに挑戦してみたいです」と意欲的になってくれるパートナーが増えていきました。それは数字にも現れていて、私が店長に着任したばかりのときの従業員満足度は、『丸源ラーメン』のお店の中でもかなり低かったのですが、半年ほどで上位20%以内に入るようになりました。それと、笑顔で楽しく働くパートナーが増えたので、お客様満足度も上がっていったんです。もともと売上が好調なお店でしたが、さらに売上を上げることができました。
そういった結果が評価されて、今年の全社表彰で「最優秀店舗賞」を受賞されたんですね。丸源ラーメン約220店舗中の1位、快挙ですね!おめでとうございます。

ありがとうございます。パートナーも一緒に受賞を喜んでくれて、本当に嬉しかったですね。それと、物語コーポレーションは、国籍関係なく活躍できる場だということが自分の力で証明できたことが最高に気持ち良かったです!この結果に満足せず、次は、お店のインターナショナルパートナーが役職の取得を目指せるよう、誰もが活躍できるお店をつくりたいと思っています。
たくさんの人の成長を後押ししたい
これから先の目標はありますか?

昔に比べてインターナショナルの店長も増えてきていますが、まだまだ日本人の店長に比べると数は少ないです。なので、自分の失敗や成功の経験を活かして、インターナショナル店長を育ててみたいですね。まだまだ具体的なイメージはこれからですが、ゆくゆくはエリアマネジャーの立場から、より多くの人財の教育に関わっていけたらと思っています。
最後に、ハルケスさんの「なりたい自分」とは?

人を成長させられる人財になりたいです。そのためには、自分が相手の成長を心から願って、期待していることを伝えること、そして、挑戦や成長をしたいと願う気持ちを育てられる環境づくりをすることが大事です。これからも、自分の成長とまわりの成長を諦めずに挑戦し続けていきたいですね。