成長を求めて転職したのに・・・
吉田さんは、キャリア入社3年目ですよね。前職は大手イタリアンレストランチェーンに勤めていたとか。
そうですね。前職では10年ほど働いて、そのうち6年ほど店長を経験しました。西日本で売上トップ3に入るお店を任されたりしていて、自分で言うのもなんですが活躍していた方だと思います。けれど、コロナをきっかけに自分のキャリアを見つめ直して、転職を決意したんです。
そのときに、物語コーポレーションに出会ったんですね。
はい。会社説明会で先輩社員のキャリアモデルを聞いて、店長から先の経験もできそうだと感じたんです。私は子どもが3人いるので、家族のためにもどんどんキャリアアップをして、もっと稼がなきゃ!と思っていました。あと、新業態の開発にも興味があったので、そこに力を入れている物語コーポレーションはとても魅力的でしたね。
実際に入社して、まず何から取り組まれたんですか?
最初は、店舗運営のために必要な作業を身につけることに集中しました。前職で店長経験もあったので、当時最短といわれていた4カ月での店長昇格を目指そうと思い、「これはどうやってやるんですか?」「次はこれを教えてください!」と自分から積極的に動いていたんです。でも、入社して1カ月後に状況がガラッと変わってしまって・・・。
どんな状況になったんですか?
働いていたお店が、平日はディナー帯のみの営業だったところ、ランチ営業も始めることになったんです。営業時間が長くなったので人手が足りなくなり、忙しさのせいで私のトレーニングが後回しになってしまいました。新しいポジションの仕事を教えてほしいのに、お客様のご案内や料理提供ばかりで・・・。自分の計画からどんどんずれていって、「早く昇格したいのに、なんでこんなところで足踏みしなきゃいけないんだ」と、毎日同じ作業の繰り返しにイライラしていました。正直、営業コンセプトの「とびっきりの笑顔と心からの元気」を体現する余裕はなくて、いつもピリピリしていて・・・。今思うと、パートナー(アルバイト)からも避けられていた気がします。
自分の未熟さを自覚して
思い描いていた成長イメージとかけ離れて、焦りもあったのでしょうか。
ありましたね。焦るあまり、「自分が成長できる環境を整えてくれない店長が悪いんだ!」と気持ちが爆発してしまって、当時店長だった大庭さんに「もっとちゃんと人員を揃えてくださいよ。お店がこんな状態じゃ成長もできません」って不満をぶつけてしまいました。この私の言葉がきっかけで、大庭さんと口論になってしまって。あとから「言い過ぎた、やってしまった」と後悔したんですが、自分から謝ることができず、そのまましばらく気まずい状態が続いたんです。もちろん仕事へのモチベーションも下がって、最悪な気分で過ごしていましたね。
その状況から、どう立て直したのですか?
大庭さんの方から謝られたんです。「この間は感情的になってごめん。吉田さんのトレーニングがなかなか進まないことについても、本当に申し訳なく思っている」って言われて、まさか店長から謝られると思わなくてびっくりしました。そして、「吉田さんのことは、これから先もお店や会社を一緒に盛り上げる仲間だと思っているし、あなたの成長を誰よりも望んでいる。でも、今はお店の改善を優先したいから、協力してくれないか」と言われたんです。そのとき、大庭さんが自分の成長のことをちゃんと考えてくれていたんだと、嬉しくなりました。
店長が考えを話してくれたことで、自分がないがしろにされていたのではないとわかったんですね。
はい。でも、ホッとした以上に、自分の未熟さを感じてすごく恥ずかしくなりました。自分が最短で成長して昇格することばかりを考えて、店長やみんながどんな想いで働いているのかを理解しようとしていませんでしたし、一緒に働く仲間だと思えていなかったことに気付きました。あのときは、本当に自分が情けなかったです・・・。
理念体現者としての第一歩を踏み出す
そこから吉田さんはどうされたんですか?
今の自分がやれること、やるべきことは何かを考えました。業務を習得することも大事だけど、大庭さんのように温かみをもって人と関わったり、「とびっきりの笑顔と心からの元気」を誰よりも体現することが、物語コーポレーションの店長として必要な要素じゃないかと思ったんです。そこから行動を変えようと、営業中だけでなくスタッフルームでも自分から明るくまわりに話しかけたり、「私はこんな営業がしたいんだけど、どう思う?」と想いを伝えるようにしました。
まさに「理念行動」を心がけるようになったんですね。何か変化はありましたか?
まわりとの関係性が変わっていきました。「最近ピリピリしなくなりましたね!」と言われたり、パートナーから話しかけられることも増えました。何より嬉しかったのが、「店長になりたい」と明言していたら、まわりから「それなら、これを知っておいた方がいいですよ」と、どんどん仕事を教えてもらえるようになったことですね。業務の習得スピードが加速していって、あんなにくすぶってしんどかった毎日が楽しくなりました。
店長へのキャリアアップが近づいた感じですね!
そうなんです。教育係を任されるようになってからは、幹部候補生(1年目の新卒社員)やパートナーに「あなたに期待してるよ。一緒に成長していこう!」と励ましたり、「どうやったら一人ひとりを輝かせられるか?」を考えて、みんなから意見を聞いたり議論をしたりして、まわりを巻き込んでお店づくりをしていきました。できることが増えてイキイキと楽しく働いている仲間を見ると、すごくやりがいを感じましたね。妻からも「最近楽しそうだね!」と言われるくらいでした。その結果、当初の目標からは少し遅れましたが、入社して7カ月目に店長に昇格することができたんです。
自分もまわりも成長させられる物語人でありたい
今の吉田さんは、以前の自分とは違う実感がありますか?
ありますね。今は本当に毎日が充実しています。以前は、自分の成長もお店づくりも、自分一人の力で何とかするものだと思っていました。でも、理念体現の大切さを知って一つずつ行動を変えていったら、まわりから応援や協力をしてもらえる自分づくりができて、仲間の成長を願えるようにもなれて、さらに自分のことが大好きになりました(笑)
最後に、吉田さんの「なりたい自分」とは?
いつもまわりを笑顔にし、仲間とともに成長を楽しむ人になりたいですね。そのためには、常に理念体現をすることが必要不可欠だと思っています。これから先、店長以上のキャリアも目指していきたいので、明るく元気にいろいろな人と接して学びを成長につなげたいですし、そんな自分の姿を見た人に「吉田さんみたいに成長したい」と影響を与えられるような人財になれたら嬉しいですね!