まさか自分がコンテストで優勝!?
北川さんは『寿司・しゃぶしゃぶ ゆず庵』でパートナー(アルバイト)として働いて8年目とのことですが、始めたのは何歳のころだったんですか?
北川童葉
高校3年生のときです。部活動を引退して、アルバイトを始めたいなと思っていたときに、求人情報誌でたまたま見つけて決めました。最初は、右も左もわからなかったんですが、先輩たちが優しく教えてくれて、すぐに打ち解けられました。お客様からも少しずつ自分の接客を褒められる機会が増えて、毎日楽しい!と感じていましたね。接客が好きすぎて、キッチンには入らずずっとホールにいるくらいでした(笑)
その1年後には、接客技術を競い合う個人対抗の社内コンテストにも出場されたんですよね。
北川童葉
そうなんです。店長から「接客部門で出場してみない?」と声をかけられて「なんか楽しそう!」と思って出場を決めました(笑)嬉しいことに地区大会で優勝して、全国大会に進めたんです。全国大会では、地区大会の優勝者が1つのお店に集まって実際に営業をして、その様子を審査されるんですが、まわりの出場者たちがとにかくすごかったんです。お客様への声かけの引き出しがめちゃくちゃ多くて、アレンジメニューをおすすめしたり、お互い初めて会ったはずなのに声をかけあってバンバン連携してテキパキ動いていて・・・。その姿に圧倒されちゃって、私はいつもみたいな接客をすることができなかったんです。もちろん、優勝も逃しました。
そのとき、どんな気持ちだったんでしょうか?
北川童葉
自分自身が楽しみながら接客できなかったことが悔しかったです。このままでは終われない!と思って、来年もう一度チャレンジすると自分に誓いました。それからは、どうやったらお客様にもっと喜んでもらえるかを考えて行動するようになりました。接客では、客層に合わせて話す内容や話し方を変えてみたり、お客様におすすめできるようなアレンジメニューのレパートリーを増やしてみたり。だんだんと前よりもお客様に喜んでもらえたり、テキパキと動けるようになって自信がついていきました。
コンテストの出場がすごくいい刺激になったんですね!翌年も全国大会に進めたんですか?
北川童葉
はい!2回目の全国大会では、ほかの出場者とスムーズに連携して、いつものように楽しく接客ができました。お客様にも喜んでもらえて、「やっぱり自分が楽しむことが一番だな」って心からやりきった気持ちでしたね。それだけで十分なくらいだったんですが、なんと優勝できたんです!まさか自分が1位を獲れるなんて思っていなくて、名前を呼ばれたときは本当にびっくりしました!お店に戻って「頑張ったね!」とみんなから声をかけてもらえて、じわじわ実感が湧いてきたくらいです(笑)
人に喜んでもらうってこんなに嬉しいんだ
リベンジ優勝なんて、すごいですね!それから、何か変化はありましたか?
北川童葉
人に喜んでもらうことにさらにやりがいを感じるようになりました。営業中は、お客様にしゃぶしゃぶを楽しんでいただけるようおせっかいをする「しゃぶ奉行」というポジションで働いていたんですが、お客様が私の名前を覚えてくださったり、「北川さんに会いに来たよ!」って言ってもらえたりして、ますます仕事が楽しくなりました。
それは大きな変化ですね!名前を覚えていただけるなんて、嬉しいですよね。
北川童葉
そうなんです。あと、ほかにも変化があって。将来目指していた職業も変わったんです。以前は警察官になりたいと思っていたんですが、ゆず庵での経験で、人を笑顔にする仕事がしたいと思うようになりました。就職活動では訪問販売の営業の会社から内定をもらえて、春から晴れて社会人になることにワクワクしていました。
そうだったんですね。大学卒業後は、そこに就職されたんでしょうか?
北川童葉
いえ、実は、入社前に妊娠が発覚したんです。内定先に迷惑をかけるかもしれないと悩んで、結局内定は辞退しました。同じ時期にゆず庵のパートナーも一度辞めて、そのあと1年くらい育児に専念していたんですが、ずっと「やっぱり働きたい!誰かに喜んでもらえる仕事がしたい!」と思っていました。そうしたら、当時のゆず庵の店長から「最近どうしてるの?また戻っておいでよ!」と連絡をもらったんです!すごく嬉しくて、その日に保育園を探し始めました。ラッキーなことにすぐに見つかって、子どもを預けている時間に働けるランチ帯のパートナーとして戻ったんです。またゆず庵のお客様に会えると思うとワクワクして、復帰の前日は全然寝られませんでした(笑)
今度はチームでお客様を喜ばせたい
ゆず庵に再び戻って、いかがでしたか?
北川童葉
たった1年ぶりでしたが、いろいろ変わっていて驚きました。中でも、個人対抗のコンテストがなくなっていて、お客様満足度を競い合う店舗対抗型の新しいコンテストが開催されることにびっくりしました。復帰して2カ月後くらいに地区大会があったんですが、私たちのお店はそこで敗退してしまいました。全国大会にいけなくて悔しいというより、お客様にご満足いただけてないお店になってしまっているんじゃないかって不安になったんです。リーダーや副店長も同じように危機感をもったようでした。
そうだったんですね。そこから何に取り組んだんですか?
北川童葉
お客様の笑顔や満足度への意識をみんなで高めていきました。具体的には、副店長たちがお客様アンケートの結果を毎週お店全体に公開して、私はそれを見て改善点をチェックして、接客中に意識して行動したり、パートナーに「あのお客様はいまこういう状態だから、こう提案してみて」と指示を出したりしました。営業後には自主的に反省会を開いて、みんなで「今日はこうしたらお客様が喜んでくださったよ」とか「今度はこれを改善していこう」と話し合うことも当たり前になっていきましたね。
お店全体でお客様満足度への意識を高めていったんですね。
北川童葉
その結果、コンテストの敗者復活戦で決勝トーナメントに進むことができたんです!「この状態ならこのまま優勝できるかも!」とすごくワクワクして、みんなの頑張りに私も負けていられない!と思いました。家族にも協力してもらって、ランチ帯だけでなくディナー帯のシフトにも入って、接客のOJTをしましたね。社員もパートナーも関係なく全員で目の前のお客様に集中した結果、満足度やアンケート回収率がぐんぐん伸びて、決勝トーナメントで優勝することができたんです!
新たな挑戦の末に手に入れた、2度目の優勝
敗者復活戦からの優勝という結果、本当に素晴らしいですね!
北川童葉
結果が発表されたときは、驚きと喜びで涙が止まりませんでした。みんなで力を合わせて、時にはぶつかりながらも一丸となって頑張った日々を思い出して、本当に嬉しかったです。これをきっかけに、もっとみんなを巻き込んで、お客様を喜ばせるサービスができる人をもっと増やしたいと思って、店長に「リーダーの昇格試験を受けたいです」と伝えました。リーダーになれば、サブリーダーとトレーナーの育成や認定ができるようになりますし、何よりもっと楽しく仕事ができそう!と思ったんです。
次の目標ができたんですね!
北川童葉
はい。そこから半年くらいかけて準備して、無事に昇格できました。いままで入ったことのなかったキッチンの業務を学んだり、後輩に接客のノウハウを教えたりもしました。自分が育てたパートナーが「接客って楽しいですね!」と言ってくれたり、お客様アンケートでお褒めの言葉をいただけるようになったことがとても嬉しかったですね。
素晴らしいですね。ちなみに、第2回目の店舗対抗型コンテストの結果はどうだったんですか?
北川童葉
ちょうど新人パートナーの育成中だったので、戦力化が間に合わなくてベスト8の結果に終わりました・・・。でも、今年の夏に開催された第5回目のコンテストでは、自分が育てた後輩と一緒に頑張って、優勝することができました!みんなで毎日改善点を話し合って行動に移したり、計画的に新人パートナーを教育した成果が出て、チームの底力を感じてすごく感動しました。
大好きなゆず庵を仲間ともっと盛り上げたい
2回目の優勝、おめでとうございます!努力が実を結んでよかったですね。
北川童葉
やりきった、悔いはない!という気持ちでした。というのも、実は今年の12月末で産休に入る予定なんです。それを知ってるお店のみんなが「その前に北川さんともう一度優勝するぞ!」ってすごく燃えてくれたことが嬉しかったです。2人目が無事に生まれて落ち着いたら、絶対にまた戻ってきます!
そうだったんですね。北川さんの復帰を心待ちにしています!では最後に、北川さんの「なりたい自分」とは?
北川童葉
まわりにいい影響を与えられる人になりたいです。お客様や仲間には、ずっと楽しくいてほしいと思っていて、みんなを笑顔にするためには、まずは自分が楽しむことが一番だと感じています。これからも、大好きなゆず庵をたくさんのお客様でにぎわうお店にするために、仲間と一緒に頑張っていきたいですね!