『お好み焼本舗』について教えてください
『お好み焼本舗』(以下、おこほん)が2025年12月に創業20周年を迎えましたね!
齊藤哲朗
あらためて振り返ると、本当に長く愛されてきたブランドだなと感じます。1号店は、2005年12月20日に『大阪・梅田 お好み焼本舗』として神奈川県で誕生しました。当時のコンセプトは「本格的なお好み焼が食べられる専門店」で、大阪に小旅行に行ったような世界観を武器にしていたんです。いまのような食べ放題形式ではなく、ファミリー層をターゲットにした単品商売のスタイルでした。でも、お好み焼の市場規模って、約1,250億円(2025年見込み)ほどで、焼肉の約5,980億円やラーメンの約5,320億円に比べるとはるかに小さくて。外食シーンでお好み焼が選ばれるチャンスは少ないんですよね。そこで「たくさんのお客様に来ていただくためには、マーケットを広げる必要があるのではないか」と考えて、これまでいろんな試行錯誤をしてきました。
いったいどんな試行錯誤をされてきたんですか?
齊藤哲朗
特に大きく変えてきたのはメニューのラインナップですね。お好み焼だけではマーケットが小さくても、そこに串カツのマーケットもプラスすれば、全体で約2,000億円の規模にまで広がり、よりたくさんの利用動機を獲得できます。ただ、どんなマーケットでもいいわけじゃないんですよね。お好み焼や鉄板焼きと親和性のあるものでなければ、専門性やこだわりが台無しになってしまいます。そこで、単品販売のみだったメニューに、2011年から食べ放題を導入したり、ステーキを加えて鉄板メニューを充実させたりしました。さらに2021年からは串カツを導入したことで、創業時に比べて市場規模を約2倍にまで広げることができました。
お好み焼屋としての専門性を守りつつ、マーケットを広げていったんですね。
齊藤哲朗
はい。現在は、お好み焼と串カツを中心に、鉄板焼きやもんじゃ、焼きそばなどを食べ放題で楽しめる業態となっています。お手軽コース、おこほんコース、プレミアムステーキコースという3つの食べ放題コースから選べるんですが、一番人気は「おこほんコース」で、約半数のお客様が注文されています。税込み2,959円で「名物 超贅沢玉」や15種類の串カツ、期間限定メニューまで楽しめるんですよ。
今回、創業20周年を記念して、大型キャンペーンを実施すると聞きました。
齊藤哲朗
そうなんです!これまで支えてくださったお客様へ感謝の気持ちを伝えることはもちろん、おこほんをもっと多くの方に知っていただきたい。そんな想いで、20周年の節目にあたる昨年12月から1年をかけて、計9つのキャンペーンを開催します。かなり大がかりですが、おこほんの強みである「家族や友人と鉄板を囲んだ楽しい食事体験」を一人でも多くのお客様に、何度でも体験していただきたいんです。そのために、1年をかけてさまざまな企画を展開し、鉄板焼きのワクワク感を発信しようと考えました。
齊藤さんは、本企画の責任者だそうですね。
齊藤哲朗
はい。キャンペーン全体のコンセプトを決めたり、それに沿った大まかな設計とディレクションを担当しています。具体的には、キャンペーンの内容を考案して会議で提案し、決定したことをチームメンバーに伝えて、みんなで議論しながら20周年を記念したアプリロゴやキャンペーンのLP制作を進めていきました。
20周年キャンペーンの内容と齊藤さんのこだわりを教えてください
今回の20周年キャンペーンの内容が知りたいです!
齊藤哲朗
これからお楽しみの企画があるので、まだ全部は明かせないんですけどね(笑)現在は第1弾として、創業当時の名物商品やお客様から人気があった商品を期間限定で提供するフェア「復刻祭」を開催中です。牛すじやホタテ、エビなど海鮮が入った「なにわデラックス 横綱焼」や「明太マヨレタス焼そば」といった人気メニューを、3月2日まで「おこほんコース」と「プレミアムステーキコース」でお楽しみいただけます。ほかにも第2弾では、ご来店されたお客様に総額700万円分のクーポンが当たる「20周年スクラッチ」や、第3弾では、成人の日に合わせて、19歳から21歳の方を含むグループのお客様を対象にお会計金額から20%を割引する「ハタチのあなたと同い年割キャンペーン」(※現在は終了しています)を実施しました。
面白い企画ですね!キャンペーンの企画内容を考えていく中で、どんなことが大変でしたか?
齊藤哲朗
今回は1年をかけて実施するので、とにかくアイデアを数多く生み出すことが大変でしたね。単に思いつきで出すんじゃなくて、おこほんの現状を考慮したうえで確実に効果が見込めるキャンペーンでなければいけないんです。たとえば、配膳ロボットを活用した企画を思いついても、店舗のレイアウトやオペレーションの条件がお店によって違うので、全店では実現できなくて諦めたり・・・。インフルエンサーとのコラボレーションなども考えましたが、店舗数がまだ少ないためお客様を呼び込むには効率が悪くて断念しましたね。アイデアベースでは20個以上考えて、最終的に9つに絞りました。
企画の実現は本当に大変なんですね・・・。アイデアを生み出す過程で、齊藤さんがこだわったことはありますか?
齊藤哲朗
自分自身が改めておこほんという業態を深く理解することにこだわりました。お客様を飽きさせない企画を生み出すには、本社でパソコンとにらめっこしているだけじゃダメなんです。とにかく現場に足を運ぶことを徹底して、週1回はお店に行きました。お客様がどんな商品を好むのか?どんなサービスをしたら喜んでいただけるのか?それらを実際にお店でお客様や従業員とコミュニケーションをとりながら、肌で感じるようにしました。そうして鉄板を囲んだ楽しい食事体験というおこほんの本質的な価値をどうやって企画に落とし込むか考えたことが、今回実施する9つのキャンペーンにつながっていると思います。
齊藤さん自身は、今回企画を担当したことで何が得られましたか?
齊藤哲朗
設計力はかなり鍛えられたと思います。いろんな制限がある中での企画立案だけでなく、1年をかけてキャンペーンを行うので、通常年に4回企画している期間限定メニューの更新時期にどう合わせるか、繁忙期にお店のオペレーションの負担にならないかなど多方面から考える必要があります。さらに、思いついたアイデアを社長や事業部長が参加する会議で提案するときは「やりたいです!」だけでは通用しません。実現にむけた論理的思考力やプレゼンテーション力も鍛えられました。
今後のおこほんの成長にむけて、何をしていきたいですか?
おこほんは、お好み焼の最大マーケットである関西への出店も予定されていると聞きました。
齊藤哲朗
はい。2月に奈良県のイオンモール橿原店をオープン予定です。関西では、お好み焼は日常に溶け込んでおり、専門店もたくさんあります。冒頭で市場規模の話をしましたが、お好み焼マーケットの多くは関西が占めているんです。だから、この激戦区へ出店することは、私たちにとっても大きな挑戦です。本場のお客様にも根強く愛されるようなブランドにすることで、全国での認知度やブランド力も上がっていくと信じています。
最後に、おこほんのマーケティングリーダーとしての今後の展望を聞かせてください。
齊藤哲朗
お客様にとって、より面白く楽しい鉄板体験につながるような企画やキャンペーンをどんどん生み出していきたいですね。「お好み焼ももんじゃも串カツも食べ放題の唯一無二のブランド」として、「アツアツの鉄板を中心に家族や友人と楽しい時間を過ごせる」という強みをもって、これからもたくさんのお客様に喜んでいただけるブランドにしていきます!
齊藤さん、ありがとうございました!