ゆず庵影の勇者たちepisode1 ~開発企画部 田中基史編~
ゆず庵影の勇者たちepisode1 ~開発企画部 田中基史編~
この企画では、好調な売上を維持する『寿司・しゃぶしゃぶ ゆず庵』を支える影の勇者たちに迫ります!
episode1では、開発や購買に携わる物語人が登場!
1人目は、開発企画部 田中 基史さんです。
Q1.開発企画部の業務内容について教えてください
大きくは「企画」と「制作」の2つの仕事があります。
まず「企画」について。
今の『ゆず庵』の課題は何だろう、もっと売上を上げるために何をしよう、
5年後のゆず庵をどうしよう?を考え、
コストを下げ、粗利益を稼いで儲けるにはどうするかを具体的な施策に落とし込む仕事です。
1つの企画が走り始めると、Web、アプリ、購買、商品マスタ等が一気に動き出す。
それをディレクションしていくのが企画の仕事です。
つづいて、「制作」。
企画が出来あがって、お客様の目に触れるデザイン、メニュー、チラシ、再来店券などの販促に落とし込む仕事です。
また、SNSキャンペーンのメインビジュアルも作っています。
そもそもの企画がよくなければダメだけど、制作の仕事(アウトプット)で売上は変わります。
一蓮托生というか、パートナーとして協力してやっています。
Q2.業務の流れについて教えてください
実は開発企画部って、2~3つ先のシーズンの企画を、今考えているんです。制作はもう少し直近ですね。
例えば今(7月)だと、2025年春の期間限定メニューについて方向性や商品はほぼ決まっていて、
具体的な提案の準備を進めているところです。
頭の中は2025年の春の企画、制作しているのは2024年から2025年にかけての冬の企画で、これから商品の撮影ですね!
直近の秋の期間限定メニューは、Webやアプリなど販促系について制作のディレクションをしているところです。
1日の流れで言うと、頭が動く朝のうちに考える仕事やアイデアを生み出す仕事、
考えているものを組み立てて体系化する仕事などを入れるようにしています。
そして、商談や会議は午後に入れる。
商談・会議は、頭の中で考えて形にしているものを人に伝えたり、意思決定したりする場として挑んでいます。
「企画」の仕事はずっと考えているので、18時の終業時間になると脳みそは溶けています(笑)。
Q3.開発企画部の仕事は、どんなところが大変ですか
まずは「制作」の仕事ですが、とにかく事務作業が多く、納期に追われるところが大変です。
色々なもの(メニュー系、販促系、SNSなど)を10個以上同時に進行します。
「これ、どの季節だっけ?」みたいに迷子になります(笑)。
それでも、納期は絶対に守らなければなりません。
「もう期限に近いし、妥協しようか」となれば楽かもしれませんが、
物語コーポレーションはダメなものは絶対世に出させてくれない。
ピンチのときは、たくさんの人の手を借りてでも、何としても仕事を仕上げなければなりません。
それができなければ、店舗が売上を上げるための武器が提供できないのです。
「企画」の仕事は、休みの日も頭が常に動いている状態で、最初はすごく大変でした。
今、『ゆず庵』は売上が好調ですが、それでも「今後下がったら・・・」という不安が常にあります。
“企画パーソン”として、売上が上がっていようが、常にネタを持っていなければいけないというプレッシャーがかかります。
また、与件もどんどん変わっていきます。
例えば、コストアップは、もうこの数年ずっと続いていますし、毎月議論しています。
お客様に喜んでいただくことが本質で、自分のモチベーションなのに、「コストをどう回収する?」ばかりに頭がいってしまうと、
やっぱり面白いアイディアは生まれません。
Q4.企画を考える上で重視していることは何ですか?
一番大事にしているのは、「僕らの商売の本質=お客様に喜んでいただいいてなんぼ」ということです。
これが前提にないと、どうしても与件に縛られます。
そうするとつまらない企画しか思い浮かばないし、できない理由ばかり出てきます。
お客様に喜んでいただくために自由に発想し、その先はできる方法をとことん考える。
前提が本質をついていて、できる理由を創れる人が優れた企画パーソンだと思います。
Q5.「これはいい企画ができた!」と田中さんが感じたものを教えてください
「かにしゃぶ」の企画です!
少し話が変わるのですが、『焼肉きんぐ』や『丸源ラーメン』で売れている「福袋」は、
『ゆず庵』でも2023年の年始まで売っていました。
2024年の年始企画を考えるときは、「すでに福袋を売っている」という与件があって、
「昨年を超えるためには売らなきゃいけない」という雰囲気がありました。
しかし、そもそも福袋をやることの意義は、「最大繁忙期の最高日商を狙える日」のポテンシャルを上げること。
売上を上げるのが目標ですが、 ノベルティは半年前から考えて製造するので、在庫リスクがあります。
『ゆず庵』は『焼肉きんぐ』に比べて、店舗数も少なく、認知度も低い。
課題も含めて考えたときに「本当にそれでいいのか?ほかにやり方はないのか?」と思い、
そこで生まれたのが「かにしゃぶ」だったのです。
私たちの商売の本質は、「店内でお客様におすすめをして、食べてもらって、喜んでもらう」。
ここに立ち返ったときに、福袋でなければいけないわけではない。
「国民的贅沢」をどうやったら訴求できるか・・・「かにだ!!!」みたいな。
福袋のように店内でお客様におすすめして、おいしいって食べてもらうイメージをしたとき、
「これこそ僕らが本来やるべきことだし、最高にうれしい!」と思ったのです。
結果、『ゆず庵』の福袋の4倍も売れました!!!
Q6.どんなところに開発企画部の仕事のやりがいを感じますか
店舗の皆さんが売上を獲得する与件を変えることができる、店舗で使える武器を提供できることに、とてもやりがいを感じています。
つまり、業態全体の売上や原価という、飲食店のすごく重要な数字をブランド規模でつくることに携われるわけです!
例えば「かにしゃぶ」の企画は、大成功して6,000万円以上の売上がつくれました。
年始に回収したお客様アンケートのコメントで、「お兄さんが優しくかにをおすすめしてくれた」など、
店舗の接客によって「福袋」では生まれなかった価値が、「かにしゃぶ」という企画を通して提供できました。
従業員の皆さんには、お祭りのように楽しんでやっていただいて、
会社もお客様も従業員も楽しい!という企画を創れたのは、企画冥利に尽きます!
Q7.最後に、『ゆず庵』の店舗の皆さんへのメッセージをお願いします
いっぱいあります(笑)
今の『ゆず庵』の業績を支えているのは店舗の状態であり、NPSを上げるための店舗の皆さんの努力があるからです。
もちろん開発企画部も色々考えていますが、それだけでは好調とはいかないのです。
昨年のテレビCMの放映で売上が上がりましたが、これはあくまで「認知度」が上がっただけです。
営業状態が悪かったら、3カ月で効果は切れているはず。
しかし、今も上がり続けているのは、お店の皆さんがこれまで培ってきた営業力で、
完璧営業の実現に向けて頑張ってくれたからこそ。
本当にいつも感謝していますし、皆さんのおかげで、自分たちは提案できる企画の幅が広がっています。
これからも、ともにお客様を喜ばせていきましょう!
いかがでしたか?
次回、episode 1の2人目は、
「開発推進部 データサイエンスグループ 峯岸 蒼さん」の登場です!
お楽しみに~♪