ゆず庵影の勇者たちepisode5 ~購買物流部 恩田康雄&黒田直孝編~
ゆず庵影の勇者たちepisode5 ~購買物流部 恩田康雄&黒田直孝編~
この企画では、好調な売上を維持する『寿司・しゃぶしゃぶ ゆず庵』を支える影の勇者たちに迫ります!
episode 5でお話しいただく“勇者”は、
購買物流部 恩田 康雄さん(右)と黒田 直孝さん(左)です。
Q1.購買物流部の仕事内容について教えてください
黒田さん:
店舗に入る食材、酒、備品などを、メーカーさんから仕入れて店舗に納品できるようにすることが仕事です。
私は、『ゆず庵』を中心にその他のブランドの水産物を担当しています(『魚貝三昧 げん屋』、『源氏総本店』、海外ブランド以外)。
恩田さんは、水産物と野菜を担当していて、今後加工品も担当します。
恩田さん:
もう少し詳しく説明すると、まず業務の進め方は2つあります。
1つ目は、開発企画部、商品開発部が考えた企画の商品を実現できるよう、食材を提案するために、
商談⇒サンプリング⇒試食・検品・厳選⇒提案というマーケットインで進めるパターン。
2つ目は、食材の収穫量、需要バランス、相場を元にした提案や、
商談や展示会などでの情報を元に、購買物流部が食材を提案していくプロダクトアウトのパターンです。
商品が決定したら、商品開発部の出荷予測を元に
契約・発注⇒問屋各所へ共有⇒産地・工場確認⇒STEPシステム登録⇒インフォマート登録
という形で進めます。ここまでやって、食材が出荷できるようになります。
そして、出荷開始⇒予測差の確認⇒終了時在庫確認・在庫調整⇒終了⇒残在庫整理
と、最後の最後まで食材に責任を持つ仕事ですね。
Q2.1日の仕事の流れを教えてください
黒田さん:
まず、shopらんにて食材に関するクレーム有無の確認をし、必要なものはすぐに対応します。
次にメールをチェック。その後、タスク管理で優先順位に沿って業務を進めます。
今のメニューへの対応、次のメニューの商品化に向けた進行をしたり、
社内調整や社外調整をしたり。
今と未来、中と外と、広がりのある仕事ですね。
Q3.現在のフェアメニュー「本まぐろ」はいつから構想していましたか
恩田さん:
私が入社した10年前から「やりたい!」と思っていて、ずっと温めてきました。
やりたいという気持ちと本まぐろの相場感が合わないと実現しないので、
獲物を狙うスナイパーのように、いつ射止めようかとずっと目を離さずにいました(笑)
これまでは、『ゆず庵』の価格帯だと実現可能な金額感ではなかったのですが、
徐々に、本まぐろの養殖が増えたことで国内の物量も増え、だんだんと在庫に余剰が出るようになってきました。
昨年、いよいよできる金額感になってきて、お取引先様からも本まぐろのご紹介を受けていました。
これまでやったことはありませんでしたが、「今しかない!」と思い、提案したのです。
金額感とサンプル品を見て、試食して、「やりましょう」と決定したときは「よっしゃー!」って感じでした!
Q4.仕事をする上で重視していることはなんですか
恩田さん:
①安全・安心 ②安定供給
この2つは絶対に欠かせない最重要項目です。
品質や味もすごく重要ですが、これらが担保されているからこそ成り立つものです。
基本価値だし、「やれていて当たり前」と認識されるものですね。
Q5.仕事において大変だと感じることは何ですか
黒田さん:
やっぱり、「欠品対応」ですね。
人的な理由での欠品もありますが、猛暑、大雨、洪水とか、天災による欠品にいかに対応するか。
流行の感染症が発生すると、ある日突然、食材が手に入らなくなるというのもゼロではありません。
こういう困ったときに協力してもらえるお取引先様との関係を、いかに普段からつくれているかが大切です。
恩田さん:
3つあります。1つ目が、有事対応です。
お客様の口に入るものを扱っているので、時と場合によって命に関わります。とにかくスピード対応が重要です。
また、昨今はSNSで炎上する事案などもあります。
たとえば、「商品に虫が入っていた」とSNSで投稿され、拡散し始めていたとしたら、
急いで対応しないと、会社の存続が危ぶまれるくらいのインパクトが出る時代だと思っています。
2つ目が、「食材の値上げ対応」です。
昨今、食材の値上げがずっと続いています。昔も値上げはありましたが、同時に値下げになる食材もあった。
なので、以前は代替えの提案ができましたが、今は下がる食材がないのです。
物語の主要ブランドである食べ放題の業態は、一定の値段で好きなだけ食べられる商売ですので、
食材価格が上がったから、メニューを値上げしますという対応が簡単にはできません。
3つ目が、「スケールデメリット」です。
安定供給をするために、時には高いお金を出しても食材の契約をしないと、物量の確保ができません。
何社も声をかけて食材をかき集めるという状況もあります。
予測を大きく外すと、食材が過剰に余ったり、逆に全然足りなくなるということが発生してしまいますが、
予測はどうしてもずれてしまうものです。なので、対応ありきで動いていかなければなりません。
Q6.いままでの仕事の中で、一番うれしかったことは何ですか
黒田さん:
「自分が提案したものが承認されて、店舗で販売して、売れる!」という一連の流れを作れた瞬間ですね。
安全・安心と安定供給を担保したうえで、店舗の売上貢献に協力できたときが、やはりうれしいです。
恩田さん:
黒田さんの話に加えて、「おいしい」と言ってもらえること。それが、自分起点であればあるほどうれしいですね。
私は仕事でもプライベートでもよく店舗に行くのですが、
近くの席でお食事をされているお子様が「おいしい!」と言ってくれてるのを聞くと最高にうれしいです。
あと、お取引先様から「やっぱり『ゆず庵』の商品っておいしいですよね」と褒めていただけたときもアガります(笑)
Q7.どんなところに購買物流部の仕事のやりがいを感じますか
黒田さん:
開発企画部や商品開発部の「これをやりたい!」に協力したり、商品を出すことに挑戦できたりするところですね。
最初はどう考えても難しいと思っても、挑戦しなければ商品は実際に生まれてきません。
ハードルや壁はありますが、さまざまな視点や考えでメニュー化に向けて動いていけることが、
この仕事のやりがいだと思っています。
恩田さん:
たとえば、どんなに素敵な店舗で、どんなに素晴らしいQSCsやおせっかいであっても、
出された料理がまずかったら、どうでしょうか。お客様は、きっともう二度と来なくなると思うんですよね。
けれども逆に、たとえばちょっと不器用な接客であったとしても、
「安くてめちゃくちゃおいしい商品」が提供されたら、「まぁまた行ってみるか」とならないでしょうか。
商材や食材を通じて、その可能性を底上げしていけるのが購買の仕事です。
また、物語は各店舗にプロの料理人や調理人がいるわけではないので、ひと手間を加えて、
また店舗に来たくなるような商品を作らなければならない。
つまり、購買物流部が仕入れている商材・食材が、金額と味に与える影響は大きいと思っています。
経営、オペレーション、接客、教育など、フードビジネスには様々な要素がありますが、
「食材のプロ」がいることで、「飲食店」の価値がより上がります。だからこそ、すごくやりがいのある仕事です!
営業と開発が花形で目立ちがちではありますが、皆さん、ぜひ購買物流部を目指してみませんか?
(心の声:もっと皆さんに購買物流部に興味を持ってほしい!!)
Q8.最後に、『ゆず庵』の店舗の皆さんへメッセージをお願いします
黒田さん:
私たちが仕入れたものを、店舗の社員やパートナーさんがお客様に届けてくれている。
暑い日も、寒い日も、営業を頑張ってくれている店舗の皆さん、本当にありがとうございます。
恩田さん:
いつも最前線で頑張ってくれてありがとうございます。
店舗で気づくことや思うことがあったら、諦めて我慢するのではなく、小さなことでもいいので、声を上げてもらえたらうれしいです。
その積み重ねが、最終的にお客様の「おいしい」や「笑顔」につながると思っています。
あと、店舗の1ファンとしてお願いです。
上述したように、私はよく店舗を利用させてもらうのですが、お皿やトイレが汚れていることがあります・・・。
お客様に提供するもの、触れるものの最後の番人は店舗の皆さんだと思っていますので、
「自分の家族を店舗に招待して食べてもらう」というつもりで最終チェックしていただきたいです。
偉そうに言いましたが、本当に感謝の気持ちでいっぱいです!
一緒に『ゆず庵』をもっと大きくしていきましょう!これからもよろしくお願いします。
全5回にわたりお届けした「ゆず庵影の勇者たち」、いかがでしたでしょうか。
たくさんの方々のサポートがあって私たちの仕事は成り立っています。
あなたもいつか、“影の勇者”になるかも?
それでは、今日もご来店いただくお客様に「とびっきりの笑顔と心からの元気」で喜んでいただきましょう!
▼「ゆず庵影の勇者たちepisode 4 ~鬮目哲矢(と、ちょこっと萩野平)編~」はこちら!