【ゆず庵1号店の挑戦】割引がなくても売れるお店をつくりたい

【ゆず庵1号店の挑戦】割引がなくても売れるお店をつくりたい

2012年6月29日に産声を上げた『寿司・しゃぶしゃぶ ゆず庵』は、2024年11月25日にオープンする『秋葉原店』でついに100店舗となります。

躍進を続ける『ゆず庵』で、55期に業態最高年商を達成したのは、1号店である『多摩境店』でした。繁盛の理由と今後の目標について、店長の近常 真裕(ちかつね まさひろ)さんに伺いました。

 


──ズバリ、『多摩境店』が売れている理由は何でしょうか?

やはり、従業員一人ひとりの「人財力」が売れている要因だと思います。従業員同士が本当に仲が良く、そのチームワークの良さが、圧倒的な「人のあたたかさ」を生み出し、お客様に伝わっている。

もちろん、立地の良さは売れる要因としてありますが(立地開発部の皆さん!ありがとうございます!)どれだけ立地がよくても、リピートしていただけなかったら売上は落ちていきます。『多摩境店』は客数に占めるリピーター構成比が9割です。『多摩境店』はオープンしてから10年以上経ちますが、特に三世代でご来店される常連様が非常に多いです。先日、お子様連れの20代のお客様が「昔、親とよく来ていました」と話してくださいました。親御さんとよく行っていたお店を、自分に家族ができたときにも利用するのは、まさしく『ゆず庵』ブランドが目指す姿であり、『多摩境店』の皆さんがこれまで磨いてきた「人財力」がお客様からの支持につながり、そういうお店としての認知が広がっているのだと思います。

 

──なるほど!それにしても、リピーター構成比が9割ってすごいですね。

はい。きっとまだまだ売れますよ!

『多摩境店』を含め、『ゆず庵』ブランドはいまだかつてない売上高を達成できるフェーズに突入してきたと感じています。しかしながら、私が今年の3月に着任した当初はお客様をお待たせしてしまう状況だったので、とにかくお待たせしない、売り逃しのない営業をすることを56期の第1Qは目指してきました。

たとえば、週末は終日ピークのような状況で、ランチ・ディナーは満席、アイドルも8割くらいの席が稼働していますので、充分な人員をそろえようと思うと、単日で40名前後、多いときには50名ほどの方々に働いていただく必要があります。なので、私が着任してからこの約半年で「人員をそろえること」に特に力を入れてきました。その結果、在籍数はこの半年で30名増やすことができ、現在は120名の仲間がいます。

──人員をそろえるために、具体的にはどんなことをしたのですか?

近くに大学が多い地域なので、リファラル(友人紹介)での採用を強化しました。もちろん、既存パートナーにも紹介をお願いしましたが、特に入ったばかりの新規パートナーへの声掛けを意識しました。具体的には、「自分は新人なのに、知り合いを紹介するのはまだ早いかな」みたいな感覚を持つ方は一定数いると思ったので、オリエンテーションの際に、一人ひとりに必ず「一緒に働きたい人がいたら紹介してほしい」と丁寧に伝えるようにしました。その結果、この半年で20名ほどご紹介いただくことができ、そのうち約半数がお店で働いています。

 

──かなりの大所帯ですが、どのような教育やトレーニングをされているのでしょうか?

この7月~9月で人員をそろえることができたので、10月から12月にかけて教育をする計画で動いています。

私が着任したときは、トレーナーが6名、サブリーダーが6名、リーダーが2名でしたが、新規パートナーを採用したタイミングから、将来的に役職を取得してもらうことを意識した教育をしてきました。また、サブリーダーが実施するオリエンテーションにトレーナーにも同席してもらうなど、既存パートナーのキャリアアップにつながる取り組みも強化しました。今はトレーナーが20名を超え、サブリーダーも12名になりました。皆さん、とても意欲的に取り組んでくれています。

 

──素晴らしいですね!人をそろえた上で売上をさらに上げていくために、具体的にどのような戦略をとられたのでしょうか?

シンプルに「売上を生んでいない時間をとにかく減らす」という戦略です。満席になるまでの時間を短縮するような予約の取り方を進めたところ、私の着任以降、約20分満席までの時間を早めることができました。満席までの時間が早まると、ディナー後半の待ち時間も減るので、ナイトの売上も獲得できるようになりました。

 

──ウォークイン冷蔵庫・冷凍庫も新設していますよね。

はい!今年のお盆前に設置したのですが、非常に便利です。

これまではキッチン内の複数の冷蔵庫・冷凍庫に無理やり押し込んでいましたので、先入れ先出しや、納品・在庫カウント・冷凍出しなども大変でした。ウォークイン冷蔵庫・冷凍庫を入れたことで、業務効率があがるとともに商品クオリティも向上できると思っています。これでようやく、ソフト面(人財)とハード面(ウォークイン冷蔵庫・冷凍庫)がそろった感じです。

──56期第2Qの手ごたえは、いかがでしょうか?

まだ初動ですが、手ごたえを感じています。

実際、NPSも上がってきています。9月末はスコアが43で、10月初旬は47でした。QSCsも90を超えてきましたので、次の「物語甲子園」では、BEST8を狙っていきたいです。

 

──最後に、これからの目標を教えてください。

56期中に、業態レコードである月商4,000万円を達成したいです!「無理でしょ」と思われるかもしれませんが、12月は月商3,800万円を目標としており、これを達成できれば、来年3月に4,000万円が狙えると私は見込んでいます。繁忙期は上位コースの注文率が上がり客単価も高いですし、結構、狙える自信があります!!

そして、私の最終目標は、「この店が販促が無くても売れるお店にすること」です。今も目的来店やリピーターは多いので、地域の皆さんにとって、今後もそういう立ち位置のお店として確立していきたい。そのために、人財力と営業力にさらに磨きをかけていきます!

 

近常さん、インタビューへのご協力とともに、素晴らしい明言をありがとうございました。

最後に、近常さんが「多摩境店を支える大黒柱」と絶大な信頼を寄せる、リーダーの役職を持つパートナーのお二人、吉野 正美(よしの まさみ)さんと髙橋 美智代(たかはし みちよ)さんにも話をお伺いしました。

──『多摩境店』はどんなお店ですか?

吉野さん:従業員の仲が良くて、「楽しく働いている」お店です。

常連様が多いので、お客様と顔見知りというか、会話が弾むお店ですね。ちょっと次回来店までの時間があくと「体調を崩されていたのかな・・・?」と心配になることもあります。

髙橋さん:ランチ帯では、1週間に何回もリピートしてくださるお客様もいるんですよ!お一人様だったり、グループだったり、夜勤明けの仕事終わりの方だったり、
客層は幅広いです。株主優待券のご利用も増えてきて、「お店がとてもよかったから、株を買ったよ」と言ってくれるお客様もいらっしゃいました(笑)

 

──うれしい言葉ですね!お店のパートナーの皆さんはどんな方々でしょうか?

髙橋さん:同世代の人もいれば、30代、20代、フリーターの方もいます。お店のみんながお互いに話しかけるということを意識していて、それが「みんなで助け合おう」という雰囲気を生んでいると感じます。シフトや人間関係のことから子育ての話まで、小さな悩みや疑問に思ったことを早い段階で相談してくれるのがギクシャクしない理由なのかなと思っています。

吉野さん:あとは、働いているときに「楽しんで働くという意識」を持っていますね。たとえば、顔見知りのお客様の情報をみんなで共有することがよくあるのですが、そうすると、お顔を覚えて声をかけやすくなりますし、お客様の来店ストーリーを想像しながら働けるので、仕事が楽しくなるんですよ!

多摩境店はそういう文化があるお店なんです。

吉野さん、髙橋さん、ご協力ありがとうございました!

近常さんいわく、「こんなにホールとキッチンの仲がいいお店は、自分は今まで経験したことがない。お互いにリスペクトし合っているのがよくわかる。」とのこと。『ゆず庵 多摩境店』が好調なのは決して偶然の産物ではなく、「人財力」を基盤とした確かな店舗力があるからだということをインタビューを通して感じました。

 


 

『ゆず庵』1号店が、12年経った今も、最前線を走っていることに刺激を受けた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

2025年に新たな業態レコードが樹立されるのか、今後も『ゆず庵』から目が離せません!

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ffwako@gmail.com
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12 日 前

いつも来て頂くお客様のお顔を覚える事
そのお客様のちょっとした情報を皆で共有する と言う事はお客様にとっても
覚えてくれたんだと 大変嬉しい事です
ご来店時の挨拶も笑顔も違ってくると思います
それも売り上げ好調の理由かなと思いました

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