「五大名物」ってなんですか?
『焼肉きんぐ』の五大名物が2025年12月10日(水)から新しくなりましたね。まず、「五大名物」とは、どういうものか教えてください。
加藤裕治
焼肉屋の王道であるカルビやロース、ハラミなどの5つの商品をまとめた看板メニューです。焼肉屋としての本質的な価値を感じてもらうことを目的に、2018年に「四大名物」としてスタートし、2023年に1品増えて「五大名物」になりました。約100gもある塊肉の「きんぐカルビ」や、約30cmという豪快な長さの「炙りすき焼カルビ」など、とにかく大きい!分厚い!という点が特徴で、一般的な焼肉食べ放題によくある薄切りのお肉や豚肉、鶏肉などはラインナップしないことにこだわっています。また、5つの商品はすべて味付けを変えていて、全部食べても飽きない設計にしているところもこだわりポイントですね。
私も「きんぐカルビ」大好きです!手のひらより大きいお肉が食べ放題なんてワクワクしますよね。
加藤裕治
私たちは焼肉屋ですから、当たり前ですが焼肉を高い品質で楽しんでいただくことが一番重要です。さまざまな種類の美味しいお肉を、値段を気にせずおなかいっぱい食べられる。それが『焼肉きんぐ』の魅力で、「五大名物」はその価値を体現する大切なメニューなんです。お客様に飽きられてしまわないよう、だいたい年1回のペースで定期的に商品を入れ替えていて、今回は1年2カ月ぶりのリニューアルとなります。
加藤さんは「総料理長」とのことですが、リニューアルにあたって何を担当されているんですか?
加藤裕治
全部です(笑)「こんな商品をつくろう」という設計から始まり、お肉の産地や部位の選定、工場での加工方法やお店での仕込み方法の決定などを経て、実際にお客様に商品として提供されるまでのすべての工程を確認しています。もちろん私一人ではなく、商品開発部や購買物流部、焼肉事業部と連携をしながら、お客様に喜んでいただける商品を開発しています。
とても幅広いんですね!恥ずかしながら、味付けやレシピを考えるのがお仕事なのかな?とイメージしていました・・・。
加藤裕治
もちろん味付けやレシピも重要ではありますが、特に大切にしているのは、お肉の産地や部位の選定と工場での加工方法の決定です。お肉中心の食文化があり、品質へのこだわりも極めて高いアメリカやオーストラリアのお肉をメインで使用しているので、現地の牧場や加工工場にも足を運びます。どんな餌を食べて育った牛なのか、加工や保管でどんな工夫がされているかなどを実際に自分の目で確認して、現地の担当者と交渉しています。
加藤さんがこだわったことを教えてください
海外現地にも行かれるんですね。リニューアルは大変なプロジェクトということがわかりましたが、実際どれくらいの期間が必要なんですか?
加藤裕治
だいたい1年くらい前から、どんな商品にするかを設計し始めます。『焼肉きんぐ』は商品がすべて食べ放題ですので、「このお肉は売り切れました」という状況は絶対に避けなければなりません。そのため、全362店舗で十分なお肉の量を確保するのに時間がかかるんです。「きんぐカルビ」の1商品だけでも、月間120万皿以上をご注文いただきますから。大変ではありますが、それでも『焼肉きんぐ』だからこそ楽しめる美味しいお肉をお客様に届けたいという想いで進めていきました。「極厚のハラミは、食べる前から目で見ても楽しんでいただけるだろうな」とか「焼くと水分が抜けやすいロースを、どうやったらジューシーに食べていただけるだろうか」とか、お客様が喜ぶ姿を想像しながら商品を考えるのはとても楽しいですし、やりがいがありますね。
今回は「裏名物」とよばれる5つの商品もリニューアルしていますよね。
加藤裕治
はい。「裏名物」は『焼肉きんぐ』のサイドメニューをさらに楽しんでいただくためにつくられています。コンセプトは、「焼肉屋の店主がつくる最高に美味しいまかない飯」です。過去に麻婆豆腐や牛タンを使用したハンバーグなどをラインナップしていて、焼肉屋の王道メニューではないけれど、お肉を使用した “ 焼肉屋ならでは ” の商品であることがポイントですね。また、老若男女幅広いお客様に楽しんでいただくために、和洋中のジャンルにとらわれずに開発することにもこだわっています。今回は、特にリニューアル感を出したかったのと、良い商品がたくさん生まれてしまったので(笑)思い切って5つすべての商品を変更しました。
これだけのリニューアルであれば、決めることがたくさんありそうです。どうやって決めていくんですか?
加藤裕治
社長の加藤さんや事業部長、開発部署のメンバーたちと一緒に議論をして決めていきます。議論をするためには、自分の感覚や感性を信じて、自分なりの答えを導き出すことが大切です。そうでないと、誰かの意見に流されてしまいますから。自分が心から「これがいい!」と信じられる意思決定をした上で、議論を通じて自分になかった視点や考えを取り入れながら、さらにブラッシュアップすることで価値のある商品をつくっていくんです。
加藤さんが意思決定をする上で大切にしていることはなんですか?
加藤裕治
お客様に喜んでほしいという想いですね。ここは絶対にぶらさないようにしていて、プロダクトアウト型(企業視点の開発)ではなくマーケットイン型(顧客視点の開発)で考えています。お客様の声をそのまま形にするのではなく、お客様自身も気づいていないような潜在的な「あったらいいな」を、私たちの感性で先回りして解決すること。マーケットインでありながら、私たちの意思を乗せることが重要なんです。
リニューアルのポイントと今後の商品開発について知りたいです
今回の五大名物がどう変わったのか教えてください。
加藤裕治
新たに極厚にカットした「超極厚ハラミ〜ガリバタ醤油〜」と、大きな肩ロースを和風だしを使ったねぎ塩ポン酢につけて食べる「ドでか!!ロース ねぎ塩ポン酢」、濃い⾁味のハラミの厚い部分だけを厳選した「長い!!23cm壺漬けドラゴンハラミ」が加わりました。裏名物は、「焼肉屋の本気!石焼レバニラ」や「ごろごろ牛すじボロネーゼ」、「牛タン入りつくね 〜卵黄ソース〜」などの5つです。どれも自信のある商品です!
加藤さんのおすすめ商品を教えてください。
加藤裕治
全部おすすめなので決められないですよ(笑)でも、しいて言うなら「超極厚ハラミ〜ガリバタ醤油〜」でしょうか。極厚にすることでお肉の味もしっかり感じられるので、お客様にボリュームとうまみを楽しんでいただきたいと思って開発した商品です。最初は、そのまま食べてハラミの味を楽しんでいただきたいですね。それから「ガリバタ醤油」のたれにつけたり、ロースターで温めたたれのカップの中に焼いたお肉を入れてちょっと煮込んでもまた美味しいですよ。
加藤さん自身は、この五大名物の磨きこみを続けてきたことで、どんなプロフェッショナル性が磨かれたと思いますか。
加藤裕治
課題発見力や問題解決力はもちろんですが、常に勉強しようとする姿勢が身についたと思っています。競合の焼肉食べ放題店だけでなく、肉バルや寿司屋など違う業態のお店でやっていることを『焼肉きんぐ』に取り入れるならどうするか?と置き換えてみたり、お客様が何を望んでいるのか思考を巡らせるようにしています。現状に満足せず、とにかく1つでも多くの引き出しを手に入れて磨き続けていきたいですね。
最後に、『焼肉きんぐ』の商品開発に関する今後の展望を聞かせてください。
加藤裕治
これからも、お客様に焼肉屋の本質的な価値を届けられるようブラッシュアップし続けていきます。原材料価格や人件費の高騰など、飲食店を取り巻く環境は厳しさを増していますが、やはり価格以上の価値を提供できなければお客様に喜んでいただけません。それに、価値のあるものはほかの焼肉店にも真似をされて、気付かないうちにお客様にとって「普通」になってしまいます。そうならないために、圧倒的な商品を生み出し続けて『焼肉きんぐ』を唯一無二のブランドにしたいですね。
加藤さん、ありがとうございました!