いま絶好調の『果実屋珈琲』について知りたいです
いま『果実屋珈琲』が3店舗とも絶好調ですね。この年末年始には調布深大寺店が日商の売上記録を更新していました。
宮井崇行
そうなんです。調布深大寺店は2023年6月30日にオープンした1号店ですが、ありがたいことにずっと売上を伸ばしているんですよ。昨年8月には、月商の売上記録も更新しています。『果実屋珈琲』は、物語コーポレーションにおいて初めてカフェ業界に挑戦した新業態として誕生しました。『焼肉きんぐ』や『丸源ラーメン』も右肩上がりで成長していますが、中期経営ビジョン「物語ビジョン2030」を達成するためには、既存ブランドの磨き込みだけでなく、新業態の開発も重要な成長戦略の1つです。『果実屋珈琲』を会社の成長を支える次の柱に育てることが私の使命だと思っています。
そもそも、なぜカフェの業態に挑戦したのでしょうか?
宮井崇行
物語の開発理論に基づき「大マーケットの差別化」が可能だと判断したからです。たとえば、市場規模は焼肉が約5,980億円、ラーメンが約5,320億円ですが、喫茶カテゴリは約1兆4,300億円(2025年見込み)と非常に大きく、しかも右肩上がりに伸びています。さらに大企業の寡占率も低いため、新規参入がしやすいんです。物語コーポレーションにとって新たな市場で、独自の差別化をすることで “売れるカフェ業態” が確立できれば、会社の成長をさらに加速させられると考えました。
なるほど。独自の差別化をするために、どのように業態設計を行ったのですか?
宮井崇行
他社のカフェ業態がチャレンジしていないところに目を付けました。郊外ロードサイドにおいて、都心にあるような高品質で高付加価値の商品を提供することに挑戦しているカフェは少ないんです。その中で郊外のお客様が憧れる食材で差別化ができれば、後発でも勝機があると考えました。そこで目を付けたのがフルーツです。フルーツは鮮度や熟度の管理、仕入れの難易度が高いため、目玉商品にしている郊外のカフェはほぼありません。
他社が簡単に真似できないようなポイントで差別化を図ったんですね。
宮井崇行
そうですね。そうして誕生したのが、フルーツパフェやフルーツサンドを楽しめる『果実屋珈琲』です。季節ごとに旬のフルーツを堪能していただけるよう、年に10回以上メニューを変更しています。サンドイッチとスープやサラダをセットにした「季節限定プレート」も好評で、3カ月に1回新メニューを発売していますね。ちょうど先月から、冬期限定のメニュー「チキンときのこのクリームスープパイ包み 選べるサンドプレート」が販売開始になりました。
それは何度でも足を運びたくなりますね!
宮井崇行
季節ごとに変わるメニューの売上比率は35~40%にのぼり、常連のお客様は新しいメニューが始まるとすぐご来店されますね。旬のフルーツをふんだんに使ったパフェを2,000円ほどで提供していますが、もし都心で同じクオリティを求めればおそらく3,000~4,000円くらいはするんじゃないでしょうか。本格的なフルーツパフェが手ごろな値段で食べられるのも、多くのお客様がリピートしてくださる理由ですね。
他店とは異なる営業時間のヒミツを教えてください
『果実屋珈琲』の業態設計として、もう1つ気になることがあります。ディナー帯は営業していないと聞きましたが、どのような収益構造なのでしょうか。
宮井崇行
朝8時から夕方18時までという営業時間は、カフェチェーンとしては珍しいかもしれません。でも、実は郊外にあるカフェの収益のほとんどは17時までに決まっているんです。ディナー帯の売上が一番高い焼肉や寿司・しゃぶしゃぶとは違って、カフェ業態のピークはモーニングやランチです。それならば、夕方18時までに収益を最大化できる業態設計にすればいい。そこで、カフェスペースだけでなくテイクアウトにも力を入れて、物販でも売上が取れるようにしています。大きめのオープンショーケースにフルーツゼリーやサンドイッチを並べ、その横にフルーツを置くことで、「美味しそう!」と購買意欲がかき立てられる設計となっています。お店の売上の約4分の1はテイクアウト商品なんですよ。
営業時間を絞りつつ、カフェスペースと物販で収益を最大化する仕組みなのですね。
宮井崇行
それと、18時までの閉店にすることで、女性がより働きやすい職場になると考えています。これまで、当社は焼肉などディナー帯がメインの業態が多く、結婚や出産でライフスタイルが変わると働き続けることが難しくなるという現状がありました。外食が好きで働いているのに、そういった事情で退職を選択せざるを得ない仲間がいるのはとても寂しいですから。なので、ライフスタイルが変わっても働き続けられる業態として、確立していきたいと思っています。
実際、仕事と家庭の両立をしながら働いている人はいるんですか?
宮井崇行
たくさんいますよ。小さいお子さんを育てながら役職に就き、お店の運営や管理業務を担ってくれているパートナー(アルバイト)もいますね。夕方の退勤後にお子さんのお迎えや夕飯の準備などができるので「自分のライフスタイルに合った働き方ができて嬉しい」という声も上がっています。
『果実屋珈琲』の今後の展望をお聞きしたいです
現在、3店舗を展開している『果実屋珈琲』ですが、4店舗目の出店予定はありますか?
宮井崇行
もちろんありますよ。どこでオープンするかはまだ秘密です(笑)ただ、現状の課題は立地です。いまの3店舗は非常に大きな商圏の立地なんですが、そういう場所はかなり限られるんです。今後の出店を進めるためには、もう少し小さな商圏でも高い売上・利益を出せる仕組みに変える必要があります。そのために、待合の発券機を導入して回転率を高めたり、メニューをさらに磨き上げたりと、業態改善を進めているところです。
最後に、『果実屋珈琲』の今後の展望を聞かせてください。
宮井崇行
最終的には、全国に100店舗ほど展開できるような業態にしていきたいですね。首都圏と関東圏は業態のマーケットがしっかりあると判断しているので、そこを中心に店舗を広げ、『果実屋珈琲』の価値をたくさんのお客様に届けていきたいと考えています。物語コーポレーションの新たな成長エンジンとして、これからも事業を右肩上がりに成長させていきます。
宮井さん、ありがとうございました!